こんにちは。
塾長の大村です。
今回は中学で勉強に遅れてしまったと思った時、何を優先するべきかというお話です。
勉強が遅れた場合の最大のディスアドバンテージは、
学校の授業時間を活かせないことです。
現役中学生は大半の時間を学校の授業で費やします。
この時間がまるまる無駄になるとすればそれだけでも大変なハンデになります。
一部の教科では従前の内容を理解していないと新しい内容が全く理解できないということが必然的に起こります。
最低限学校の授業時間を無駄にしないようにするためには何をしたらいいのか、
という視点でお話ししたいと思います。
国・理・社は途中参入がしやすい教科です。
前の単元・前の学年の内容がわからないから、今の内容がどうしてもわからないということはほぼありません。
(理科の物理・化学だけちょっと例外です)
勉強に遅れてしまっても「今の単元から」始めて遅れないようにすれば大丈夫です。
一方で英語・数学はそれまでに習った内容を前提にして、それを土台にして進みます。
土台がグラグラしている状態で上に物を積んでいくのが難しいのと同じように、
前の単元の内容を理解していないと新しい内容を理解することが非常に難しくなります。
英語と数学で比較すると、数学の方がまだ追いつくのが多少楽です。
というのは、数学は図形・計算・関数・統計の4分野に分かれているので、
直前の単元は無視して今やっているのと同じ分野だけ前の学年にさかのぼるということで対処可能な場合があるからです。
(同じ分野の前の学年を省くのはどうあがいてもダメです)
計算と関数はつながりが強いので関数の単元の直前の計算の単元を省くことはできませんが、
それ以外のパターンでは別分野のショートカットは可能です。
数学はそれぞれの分野が並行して上がっていくようなイメージですね。
一方、英語ははじめの単元から一本の直線でつながっているため、
ショートカット不可能です。
直前までに習った文法をすべて理解しており、
直前までに習った単語・知識をすべて知っているものとして授業は進んでいきます。
中学での内容がドーンと増えたこともあり、先生にも待っている余裕はありません。
定期試験や実力テストでも容赦はありません。
そういうわけで、最も追いつくのが難しく、遅れた場合にまずやらなければならないのは英語です。
(ゆえに英語だけはなんとか遅れないように中1のときから食らいついていくべきとも言えます。)
なお、当塾では6ヶ月の間に中学校3年間の文法を長文読解に支障が出ない程度に集中学習する講座があります。
遅れてしまった場合は、どうしてもその単元まで戻ってやる必要があります。
さきほどもお話したように、数学はざっくり図形・計算・関数・統計の4分野に分かれているので、
同じ分野の単元だけ戻るということが可能です。
例えば中学3年生で中学1~2年生の内容が丸々飛んでいるというような場合。
夏休み前までの有理数無理数・展開と因数分解・二次方程式の単元をやる前に、
1~2年生の式と計算・方程式(連立方程式は後回しでも🙆)はどうしてもやっておく必要がありますが、
1~2年生の図形・関数・統計は後回しでも大丈夫です。
そこをショートカットすることで最短で追いつくことができます。
もちろんその後には関数や図形・統計が待っているのでちんたらやっていてはダメです。
しかし学校の授業に追いつくことができればその分学校の授業を活かすことができます。
同率2位なのが理科の物理・化学分野です。
化学分野と、物理の中でも力学分野は前の学年との関連性が強いです。
生物・地学分野、物理の力学以外の分野はショートカットOKです。
社会と理科(地学・生物分野)は
前の単元・前の学年の内容がわからないから、
今の内容がどうしてもわからないということはほぼありません。
今までが抜けていてもこれからの授業を予習・復習も含めて
しっかりと受ければなんの問題もありません。
抜けている状態だと総合問題ができないという弱点はありますが、
中3の内容が終わるまではその状況はみんな一緒です。
極端な話、日本語を正しく理解することさえできれば、途中参入に何の問題も起きません。
(唯一ネックがあるとすると文法問題、これは知識がなければ無理ですが国語の授業で出てくる割合は非常に低いです)
その条件に当てはまれば優先度は最下位です。
しかし、正しく日本語を理解できないのが原因で授業を聞いても半分も理解できないような場合には大きく話が変わってきます。
その場合は国語が一気に優先度第1位(特に文章を正しく理解する力)に躍り出ます。
極端なことを言うと、それをクリアできないうちにいくら勉強を頑張っても無駄になる可能性大です。
この場合は国語の中でも特に、文章を正しく理解する力を養うことが重要にりますが、
これは市販の国語の長文問題集をやってもどうにもなりません。
単文を正確に読み取ることから訓練していく必要があります。