「社会科って、結局暗記科目でしょ…?」
もしあなたが今、そう思っているなら、この記事はきっとお役に立てるはずです。歴史の年号、地理の地名、公民の法律用語…教科書を開けば、次から次へと覚えなければいけない言葉が出てきて、「もうウンザリ…」「頑張って覚えたはずなのに、テストではなぜか点が取れない」と、社会科に苦手意識を持っている中学生・高校生は少なくないでしょう。
確かに、社会科には覚えるべき知識が多いのは事実です。しかし、もしあなたが「社会科=ひたすら暗記」という思い込みだけで勉強しているとしたら、それは非常にもったいないことかもしれません。なぜなら、社会科のテストで高得点を取るために本当に必要なのは、バラバラな知識をただ詰め込むことではなく、それらの情報が持つ意味やつながりを深く「理解」することだからです。
では、どうすれば社会科を「理解」できるようになるのでしょうか?
この記事では、暗記だけに頼るのではなく、社会科の本質である「文章や図表を読み解き、情報を整理し、論理的に理解する力」を鍛え、社会科を得意科目にするための具体的な勉強法を紹介します。
社会科のテストでは、単純な知識を問う問題だけでなく、資料やデータを読み解いたり、歴史的な文脈や理由を答えるような問題が多く出題されます。そこで求められるのは、
これらの力は、用語や年号の暗記では身につきません。
暗記しただけの知識は「点」の状態ですが、高得点を狙うためにはこれを「線」で結ぶ必要があります。
そんなこと?と思うかもしれませんが、実はこれが一番重要で、なおかつ効果的です。
理由は2つあります。
1つ目は、教科書が最高効率の参考書であるということ。
学校の試験も公立校の入試も教科書に載っている以外のことは出しません。
必要なことは全て載っています。なおかつ最低限です。
だから無駄が無いんです。
市販の標準テキストなんて、社会で点数とれてない人には絶対向いてません。
厳しい言い方をするようですが、
教科書に載っている最低限ができていないんですから、
手を出してはダメです。
せめて教科書準拠の定期テスト対策問題集くらいにしてください。
2つ目は、情報のつながりを追えること。
これはかなり大きいです。
先ほど点ではダメで、線でつながなければいけないと言いましたが、
教科書には最初から「線」がつながった状態で載っています。
極端な言い方をすれば、教科書ならつながった状態なので丸暗記だけでも結構イケます。
A5サイズの暗記本や小さな単語カードだけで乗り切ろうとする人がいますが、
あんなものでは絶対に高得点は狙えません。
あれは「点」をバラバラに見ているだけでしかないからです。
それをどうしても優先してしまうという人は、
教科書を読んだ方がよっぽど効率がいいので、
次のゴミの日にでも処分してください。
そのようなツールは、「線」が見えるようになった段階で補助的に使うべきです。
一方で、用語集というのはかなりいい教材です。
調べるという作業で線をつなぐことができるからです。
これをあまりやらない人もいますが、
これは効果的かつ教科書が頭に入った状態なら短時間で済むので、
ぜひしっかりやってください。
具体的にどうするのかというと、図表が出てくる文脈と注釈を頭に入れます。
例えば、歴史で「ビゴーの風刺画」がありますが、
あれは日清戦争の結果下関条約で遼東半島を獲得→三国干渉で遼東半島を返還→返還した遼東半島をロシアが租借
という流れを「漁夫の利」の故事を用いて風刺したものです。
この文脈が頭に入っていれば、この図を一目見るだけで歴史の流れを思い起こすことができます。
絵に書いてあるのがどの国なのかというのも覚えていなくてもわかります。
また、これは社会科の先生あるあるだと思うのですが、
教科書の本文をそのまま出さないようなイジワルな先生でも、
見落とされがちな図表の注釈をそのまま問題にしていることが結構あります。
だから図表のインプットは効果的なのです。
①②はいずれも「点を線でつなぐ」ことに寄与するものです。
しかし頭の中で抽象的な結びつきを作るのは中々に高度なことです。
そこで効果的なのがこの方法です。
学校や塾の授業で使ったノートの用語を丸で囲み、それを矢印でつなぐという作業をします。
これだけでもかなり効果があると思いますが、
矢印のそばに理由や関係の説明なんかを書いておくと更にいいです。
これで見えにくかった情報と情報のつながりを視覚化し、
直接目からインプットできるようにします。
①②③ができていれば、公立校の定期なら記述以外は全て正解できるはずです。
先生にもよりますが、大概8割5部以上は取れます。
それ以上を狙うとなるとこれが重要になってきます。
この勉強は記述問題に効いてくるものです。
そもそもうまく問いを発することができない、苦手という生徒さんは、
記述対策用の問題集や、用語集を使うのが効果的です。
用語集をどのように使うかと言うと、用語の見出しを見て、
その説明を自分で言う練習をします。
最終段階は、より実践に近い問題での仕上げです。
同じ先生の作った同じ先生の作った去年の問題が手に入るならそれを使うのも良いと思います。
塾の先生や、部活の先輩に頼んでみるといいと思います。
しかし、先生が転勤したばかりの場合や、頼れる先輩や塾がない場合でも十分実戦的な演習をすることができます。
というより、過去問だけを使うくらいならこっちの方がずっと効果的です。
具体的には、学校で使っている副教材のワークで解けない問題をすべて潰します。
更にダメ押しで、教科書準拠の定期対策の問題集を1冊用意してやれば完璧です。
要は出る可能性のある問題を片っ端から潰しておくのです。
①~⑤までを完ぺきにこなせたら、社会で満点を狙える実力が身につくでしょう。
社会科は単なる暗記科目ではないこと、そして真の理解に基づいた勉強法で得意科目にできることをお伝えしてきました。歴史の年号や出来事、地理の地名や特徴、公民の制度や用語といった一つひとつの知識は、いわば「点」にすぎません。大切なのは、それらを教科書や資料集を読み解く中で「線」でつなぎ、その背景にある理由や関連性を深く理解することです。
今回ご紹介した5つのステップ、
これらを実践することで、社会科の知識はバラバラなものではなく、一つの大きな物語のように、あるいは複雑に絡み合ったパズルのように見えてくるはずです。そして、その構造が「わかった!」瞬間から、社会科は退屈な暗記作業から、知的好奇心を刺激する面白い科目へと変わっていくでしょう。
「社会科は苦手だ」と感じている人も、まずは教科書を開くことから始めてみませんか? 一つひとつの知識を丁寧につなぎ合わせていくことで、必ずや社会科を得意科目にできるはずです。この記事が、その第一歩を踏み出すきっかけとなれば幸いです。さあ、今日から社会科を「わかる」科目、そして「得意な」科目に変えていきましょう!