R6の問題構成は以下の通り(カッコ内は学年)
大問1 小問集合
(1)
ア.正の数・負の数(1年)
イ.式の計算(2年)
ウ.平方根(3年)
(2)式の展開と因数分解(3年)
(3)2次方程式(3年)
(4) 変化と対応(1年)
(5)ヒストグラムと相対度数(1年)
(6)図形の調べ方(2年)
(7)
ア.立体図形(1年)
イ.立体図形(1年)・式の計算(2年)
(8)平面図形(1年)
大問2 場合の数と確率(2年)
大問3 連立方程式(2年)
大問4 一次関数(2年)
大問5 図形の調べ方(2年)・図形の性質と証明(2年)
大問1は毎年教科書例題レベルの小問集合となっており、今年も同様の構成になると思われます。
3年生範囲からの出題もありますが、1~2年生の内容がメインになっています。
問題構成は毎年大きく変わっていませんが、
年度により出題単元に違いもあり、R4,R5の学診では一次関数からの出題もありました。
基本レベルの出題しか無いため、数学が苦手な生徒さんはまず大問1で得点を伸ばすことに集中しましょう。
1~2年生の教科書例題と、3年生の計算問題ができるようになっていれば満点が狙える大問です。
数学が得意な生徒さんは大問1では満点を狙っていきましょう。
大問2は例年難問がでない代わりに説明問題がでているという特徴があります。
問題が難しくない割に配点が高いので狙い目の大問です。
R6とR4は「場合の数と確率(2年)」からの出題です。
具体的な組み合わせや確率を求める問題が2~3問、説明問題が1問です。
落ち着いて樹形図や表などを書ければ簡単に解ける問題で、説明も型通りのもので対応可能です。
R5は「式の計算(2年)」からの出題です。
規則性のある数の並びに対して(1)は具体的な数を求める問題、(2)は式に表す問題です。
(3)は苦手な生徒さんも多い「説明」問題ですが、(2)の答えが(3)のヒントになっており、
一部穴埋め形式になっているので放っておく手はありません。
苦手な生徒さんでも部分点は簡単に取れる問題です。
R3は「箱ひげ図とデータの活用(2年)」からの出題です。
(1)は表からデータを読み取り空欄を推測する問題、
(2)は最頻値と中央値を求める問題、
(3)はデータの見方を説明する問題です。
いずれの問題も最頻値・中央値・階級値・相対度数・累積度数
といった言葉の意味やヒストグラムの見方がわかれば簡単に解ける問題です。
対策としては、
「式の計算(2年)」と「場合の数と確率(2年)」「箱ひげ図とデータの活用(2年)」の説明の型を覚えることと、
言葉の意味や計算方法を正しく理解し覚えればOK。
問題のレベルも教科書例題がすべて解けるようになっていれば十分です。
「場合の数と確率(2年)」「箱ひげ図とデータの活用(2年)」はあまり対策をしていない受験生が多いのですが、
データの活用分野は難問が出にくく、基本的な言葉・数値の意味を知っていれば簡単に解けるので、
数学が苦手な生徒さんでも短期間で成果を出しやすい分野です。放っておく手はありません。
大問3は例年連立方程式からの出題です。
全体として非常にややこしく、数学苦手組は間違いなく苦戦を強いられる問題です。
文章全体が読みにくく、読解力も高いレベルで要求されます。
読解力や文章題の立式スキルは短期間で鍛えるのは非常に困難です。
今の段階でかすりもしないようなら言い方は悪いですが(2)は諦めたほうが懸命です。
しかし悲観要素ばかりでもありません。
(1)は非常に簡単にできており、小学校算数のカラーテスト級の問題です。
文章題が苦手だからとこの問題まで捨てるのは愚策です。
四則計算と割合の基本的な計算ができれば解けますので、
過去問でこの問題を得点できない生徒さんは小学校算数の割合のところをやってみましょう。
反対に数学を得意とする生徒さんは、
(2)は正解率は低くなることが予想されるので、
他と差をつけるチャンス問題でもあります。
入試レベルの連立方程式の問題で確実に立式ができるよう練習しましょう。
大問4は例年一次関数からの出題です。大
問3と同じく文章問題です。
大問3と比べるとグラフの読み取りやグラフの描画という要素が加わりますが、
その分、問題全体としての難易度は低く取り組みやすい問題となっています。
問題の流れとしても、前の小問が次の小問のヒントとなっているため取り組みやすくなっています。
難易度としては教科書の章末問題レベルですが、
文章題が苦手な生徒さんは諦めてしまいがちなのでこの問題は狙い目です。
問題文を正しく読めさえすれば難なく解ける問題ですので、
過去問や学校の副教材などを使って練習しておきましょう。
大問5は例年合同と証明や相似からの出題です。(
1)(2)は証明問題や角度の問題、説明問題などが出題されています。
証明問題や説明問題は一見すると難しそうに感じ敬遠しがちですが、
実はこれらの小問はサービス問題です。
証明問題の合同条件はほとんど問題の条件として出揃っており、それを文章化するだけで、
角度の問題や説明問題もそれほど難しいものは出ません。
特に証明問題と説明問題は全小問中で最高の配点になっており、これを逃す手はありません。
問題の条件は必ず使われる、平行線があれば錯角や同位角、
二等辺三角形や正三角形があれば図形の性質が使われるという意識でいれば大丈夫です。
対策としては合同条件と相似条件、図形の性質を確実に覚えておき、
教科書練習問題レベルの証明問題で良いので証明を書く練習をしておくことです。
数学が苦手で全部解き終わらないという生徒さんは、確実に得点できるようにしておき、
大問1と大問5の(1)(2)を先にやってしまうもの一案です。
(3)は例年面積や面積比の問題が出題されています。
(1)(2)で導き出した合同や相似がこの問題のヒントになっているパターンが定番で、
ほぼ確実に(1)(2)から導くと考えておいて間違いはないでしょう。
そこさえ意識できていれば(3)も難しい問題ではありません。
全体として言えるのは大問1と各大問1は簡単に回答できる内容になっているということです。
数学が苦手な生徒さんはここが得点源になり、
得意な生徒さんはここで失点しないことが勝敗を分けます。
教科書の章末問題がすべてできれば、これらは満点を取れると言って差し支えないでしょう。
数学な得意な生徒さんはさらに学診の過去問や入試レベルの問題をやり込んで得点を伸ばしましょう。