志願先どうする? ― 令和6年福井県立高校入試今年の見通し・出題傾向・ボーダーライン

塾長
塾長
November 16, 2024

※この記事は令和6年度福井県立高校入試についてのものです。現在の中3が受ける入試についてのものではないことにご注意ください。

こんにちは!

クエスタの大村です。

いよいよ公立の一般入試本番が近づいてきましたね。

今年2024年の県立高校入試の見通し・出題傾向・ボーダーラインについて書こうと思います。

全体的には、去年の合格者平均点は理科以外は50点~60点と試験の設計としては妥当な範囲に収まっていますから、

大きく難易度が調整されるようなことも無いと思いますので、難易度的にはほぼ去年と同様の傾向になると思って良いでしょう。

理科の平均点が45点とやや低い(講師の仲間内でも難しかったとの評判でした)ので、多少易化される可能性はありますが、油断は禁物です。

1個怖いなと思うのが、新指導要領の語彙数増加に伴う、本文の語数増加の可能性です。

移行措置期間終了後、語彙数が爆増した改訂指導要領完全実施で迎えた初めての入試になるので、ドンと語数を増やしてくるような気がします。

「気がする」だけなんですが、用心に越したことはないでしょう。

過去問を解いた時に少し時間に余裕を持てるようになるといいのかなと思います。

次に、学診テストの成績を基準とした各高校の予想ボーダーラインを見てみましょう。

この数値は去年私自身がみていた生徒と、講師仲間からの情報を基にしたそれなりに根拠のある予想です。

まずは藤島高校から。

私がみた範囲では、去年の入試では学診400点台以上は全員合格、レアケースだと思いますが350点台でも合格した子もいました。

更に他所の情報もあわせて今年の学診の成績を基準とした合格可能性を考えると、

学診420点以上で合格率99%・400点以上で80%・380点以上で60%・360点以上で30%という感じです。

続いて高志は

学診400点以上で99%・380点以上で80%・360点以上で60%・340点以上で30%という感じです。

私がみた範囲では330点台の合格者もいました。

巷で言われているよりかなり低い点数でも合格している生徒さんもいますが、

学診テストが11月で受験まで3ヶ月あり、この間に適切な指導とご本人さんの努力があれば逆転は可能ということですね。

その他、羽水高校は探求は350点、普通は270点もあれば安泰(99%)でしょう。

福井商業は学科によって定員を上回ったり、

下回ったりということを繰り返していて、ちょっと読みにくいのですが、

商業科は310点、他の定員を上回っている学科では280点あれば安全圏という感じです。

なお、福井県では高校ごとの合格者最低点の数値は非公開となっており、

本人への得点開示も不合格者のみですので、

各高校の「合格者最低点」と称して公開しているものがあっても、

ちょっと割り引いて考えた方がいいと思います。

次に、各科目の出題傾向

◎がここ3~4年で毎年出ている分野

〇が周期的に警戒を要する分野です

※出題予想ではありません

数学:

計算問題の小問集合

関数の基本の小問集合

平面図形の基本問題の小問集合

確率・四分位数・箱ひげ図の小問集合

式を使った証明

関数のグラフと図形の融合問題

図形の証明問題

円周角定理の問題

方程式の文章題

線分の長さや面積に関する問題

データの活用・標本調査の問題

図形や点が動く関数の問題

規則性に関する問題

理科:

水溶液・気体の問題

遺伝・細胞分裂の問題

電気

物質の分解と化合

中和とイオン・電池

消化・吸収

地層・岩石

月の見え方・金星の見え方

社会:

地理>世界の姿

地理>自然環境

地理>産業

地理>貿易・地域間の結びつき

歴史>全範囲(古代~現代)

公民>経済

公民>政治

公民>人権

地理>地形図

数学は小問集合だけで4割になります。去年出題されていないデータの活用・標本調査の問題は要注意です。

理科は、去年出題されなかった地震・地層・火山の分野に要注意です。

社会は毎年全範囲まんべんなく出題されていますので、今年も同様の傾向が続くでしょう。

英語は、特にどの分野ということはないのですが、

去年出題されなかった対話文補充の英作文問題や長文を読んで英文を書く問題は要注意です。

今年の入試ならではの注意点として、指導要領改訂後、

移行措置期間なしで3年間を学習したはじめての受験生となりますので、

新学習指導要領に新しく盛り込まれた内容は狙われるのではないかなと思います。

公立高校入試には、「優秀な生徒を選抜する」だけではなくて、

「国の定めた指導要領に沿った指導がちゃんとできているかを測る」という、

県内の教育委員会全体の仕事を評価するような意味合いもあります。

実際、福井県教育員会では毎年その年の入試の「総括」

というのをやってどのような指導の成果が出ているのか、

あるいは出ていないかという検討会をやって、

その内容を次の年度の指導や入試の内容に反映させるということをやっています。

だからこそ、指導要領に変化があったときに、

その変化に対応できているかどうかを確かめるために、

その変化した内容を入試で問う可能性は高いだろうという理屈です。

以下、新しく取り扱われている内容(※は新しくないが増補された内容)です。

英語:原型不定詞・感嘆文・現在完了進行形・仮定法・語彙数の増加

数学:四分位数・累積度数・箱ひげ図・反例

理科:探求学習(仮説→検証→考察の一連の流れ)に関する内容・生物の特徴と分類の仕方・放射線※・自然災害※

社会:全体としてやや歴史重視の傾向

   地理: 世界の諸地域学習における地球的課題の視点の導入・日本の様々な地域の学習における防災学習の重視※

   歴史:民主政治の来歴や人権思想の広がりに関する内容※・伝統や文化に関する内容※

   公民:国家間の相互の主権の尊重と協力,国家主権,国連における持続可能な開発のための取組に関する内容※・課題の探求と社会参画に関する内容※

あくまで注意しろってことです。ヤマはったりしたらダメですよ。

以上、いかがでしたか?

今年の県立高校入試の見通し・出題傾向・ボーダーラインについてお話ししました。

公立一般入試本番まで1ヵ月を切っていますが、まだまだできることはたくさんあります。

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