be動詞は 「は」 ?

塾長
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December 21, 2024

こんにちは。

クエスタ塾長の大村です。

今回はbe動詞とはいったいどのようなものかというお話です。

タイトルの答えから先に言ってしまいます。

be動詞は日本語の 「は」 ではありません。大間違いです。

これは中学生くらいの生徒さん(中には高校生ですら!)、がよくやる勘違いで、

「 私は学生です。」 の英訳が 「I am a student.」 であることから、

I=私, a student=学生 ということで、be動詞は残った「は」 に違いないと考えるのでしょう。

中には”be動詞は日本語の 「は」 ”だと言い切ってしまう英語指導者や有名語学系Youtuberなんかもいますが、

私からするとちょっと考えられないことです。

”be動詞は日本語の 「は」 ”であるとすれば、次の和文はどのように英訳するのでしょうか?

バナナが好きです。

= I am like bananas.(✘)

でいいんでしょうか。

そんな訳はありませんよね。

「は」 になるときとならないときがあるなんて説明するんでしょうか。

それでは結局 「be動詞とはどういうものか」 の説明になっていません。

このような説明や理解の仕方をする方は次の点を理解していないか、

ハッキリと認識していないと思われます。

1.そもそも、英語と日本語のシステムは違う

「私は学生です」 の英訳が 「I am a student.」 であることから、

I=私, a student=学生 ということで、be動詞は残った「は」 に違いないという考え方は

日本語と英語が同じ仕組みで表現され、

日本語の単語と英単語が必ず1対1で対応するものだという誤った前提のもとに成り立っている考えです。

英語と日本語のシステムは大きく異なる部分があって1対1で対応しない部分も少なくなく

その仕組みの部分を学ぶのが英語の勉強である(単語の勉強ではない)ということを認識するのが

英語の勉強のスタートラインです。

2.be動詞は「=」 ではない

be動詞は 「=(イコール)」 だという説明は割とよくある説明だと思います。

(実は私も、とある数学の講師に指摘されるまではそう言っていました)

「=」 は小学校の算数では「は」 という読み方もするので、

be動詞= 「=」 =「は」 のように、

「=」を介して「は」とbe動詞が違和感なくつながってしまうのだと思います。

しかし、次の記事で詳しく説明しますが、

実際にはbe動詞は 「=(イコール)」 とは似て非なるもので、

基本的な意味は 「ある」 「いる」 であり( 「は」 にそのような意味はない)、

文法的には主語と補語を結びつける程度の働きしかしていません

注)S be Cのbeを強引に数学記号にするなら
「{S=C|名詞(C)}の"="
または{S ∈ C | 名詞(C)}の"∈"
または {S ⊆ C | 名詞(C) ∧ 集合(S)}の"⊆"
または {<S, C> | 名詞(S) ∧ 形容詞(C) ∧ C(S)}の関係でSとCをつなぐ役割(一般的な数学記号として定義不能)
のいずれか」
となります。
ややこし過ぎるし結局うまく定義できないんでそもそも数学記号で表現しようとするのをやめたほうがいいです。

注)実は格助詞の 「は」 もその手前の言葉が主語であることを表示しているだけで、
イコールの働きをしているのではありません(後述)

3. be動詞は動詞であり、 「は」 は動詞どころか自立語ですらない。

be動詞は動詞であり、文の述語となることができます

これが最大の違いであり、これだけ言えばもう十分といった感じです。

更に、英語には日本語の 「付属語」 とぴったり重なる概念はありませんが、

似た概念として 「grammarical words(文法語)」 というのがあります。

「grammatical words」 には前置詞や冠詞、助動詞、接続語など、

単独では意味をなさないか不明瞭で、他の語・節との関係性を表したり、

日本語の 「自立語」 に近い 「lexical words(語彙語)」 との関係性を表したりします。

当然be動詞はこの 「grammatical words」 の中には入らず、単独で意味を為すため、

「lexical words」、むりやり国文法にあてはめれば 「自立語」 の部類に入る存在です。

一方、日本語の 「は」 はどうかと言うと、

動詞ではなく 「格助詞」 という品詞分類になり、当然のように述語になることはできません

格助詞は主に他の自立語の文中での役割(格)を表示する役割を果たしており、

「grammatical words」 の概念に近い、単独では意味をなさない 「付属語」 の中に含まれます

これだけの違いがあるのに、どうして 「be動詞は"は"だ」 と言うことができるでしょうか。

ではbe動詞とはいったいどのようなものか、ですが、

ちょっと長くなったので次回の記事でまた詳しくご説明しようと思います。

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