リュケイオンの大村です。
この記事は福井県在住の生徒さんに向けて書いているものです。
他都道府県の生徒さんは「確認テスト」を
学校実施の「実力テスト」「学力テスト」や「学校長会テスト」
(但し、進路指導や成績に影響がないもの)
と読み替えてください。
さて、みなさん、いきなりですが確認テストの対策ってしていますか?
最初に結論を言ってしまいますが、
確認テストの対策は必須というわけではありません。
特に勉強が遅れている場合や、基礎知識がそもそも入っていないような場合は、
時間のムダなんでやめてください。
ただし、これはできればやっておいた方がいいということもいくつかあります。
以下理由と内容を説明します。
まず第一の理由は成績に関係がないから。
2回言いますが、確認テストは成績に一切影響がありません。
悪かったからと言って居残り勉強強制されたりということもありません。
そもそも、福井県の一般入試はほぼイッパツ勝負なので、
内申点のことはあまり考えなくてもいい
(3年生の45点分だけは関係しますが、同じ学校の志願者の成績は大体同じくらいなのであまり差は付きません)
のですが、
仮に特色選抜や推薦入試を使うとしても、確認テストの対策なんて考えなくていいのです。
第2に、成績だけでなく、進路指導にも大きな影響がないから。
3年生の11月になると、本県では「学力診断テスト」というものがあり、
それに基づいてこの高校で行けるとか、
難しいから考え直せとか進路指導がなされます。
しかし、確認テストに関してはこれにもほとんど関係ありません。
もちろん、あまりに悪ければブツブツ言われると思いますが、
それだけのことです。
ただし、学力診断テストの後の確認テストだけは例外で、
これを通称「第2学診」と言って、これで最終的な出願先を決めることになります。
確認テストは成績にも進路指導にも関係ありませんが、
日頃の学校や塾の指導にはバリバリ使われています。
どのように使われるかと言えば、
「このクラスは全体より平均がだいぶ低いから授業がうまくいってないな」とか、
「この子はこの分野が苦手だから補強が必要だな」とか、
そういう風に参考にされるわけです。
家庭学習でもちょっと勉強量増やした方がいいなとか、
勉強のやり方を見直した方がいいなとか、
逆にこのままで大丈夫だから他のところに力を入れようとか、
判断材料にすることができます。
これがヘタに付焼刃的対策をしてそれが偶々うまくいってしまうと、
発見できたはずの問題が発見できないことになりますから、
害悪以外の何物でもないのです。
確認テスト以外に業者テストをシラフで受ければ、
確認テストは学診や公立入試の出題形式に近いので、
試験慣れや試験勉強のやり方の研究という意味で使ってもいいかもしれませんが、
残念ながら本県では3年生になるまで業者テストを一度も使わないことは珍しくありません。
確認テストで点を取ることよりも大事なことは他にあります。
定期テストで点を取ることと、入試で結果を出すことです。
定期テストで成績は付きますし、もちろん入試は結果を出せなければ行きたい高校にも行けません。
それに比べたら確認テストの対策なんてどうでもいいと思いませんか?
もしそう思わないとしたら、定期や入試への意識が低すぎるので改めた方がいいです。
確認テストの時期と、定期の時期は近いことが多いので、
確認テストにばかり力を入れると、定期で痛い目を見ることになります。
確認テストの対策よりもまず、定期対策をしてしっかりそこで点を取ってください。
そして普段から入試本番を意識した勉強をすべきです。
入試本番を意識した勉強というのは、
定期で結果を出せる勉強に加えて、
全国の公立高校入試で出題された問題の中からそれまでの知識で解ける問題を選んで解く勉強
(これを自分でやるのは難しいので塾や通信教育を使うメリットが大きいわけです)
です。
よほど要領の良い子でなければ、これをやるだけで普通は手いっぱいのはずです。
では、確認テストってどうでもいいテストで無価値なテストなんでしょうか。
ここまで正しく読めていればわかると思いますが、
もちろんそうではありません。
確認テストはそれまでの自分の勉強の方向性の適・不適や自分の各科目の学習上の課題を発見するために大変有用なテストです。
確認テストは事前の対策ではなく、返ってきたそのあとが重要なんです。
確認テストが返ってきたら答案を見直して、
各科目の具体的な課題とそれに対する解決策を書き出し、
それに沿って自分の学習方法を修正したり、弱点補強したりしましょう。
そして次の確認テストでそれがうまくいったかどうかを確認し次に生かす、ということを繰り返し、
入試対策を理想の形に近づけていくのです。
基本、確認の対策なんてする必要があるものではない、
ということがお分かりいただけたかと思いますが、
その中でも絶対にやるべきでないことと、
多少は意味があるかなということがあります。
絶対やってはいけないのは、直前の知識の詰込みです。
これをやって万一うまくいってしまうと、
確認テストは判断材料としての用をなさなくなってしまいます。
普段から正しい勉強をせず、
直前に詰め込んだだけの知識なんてどうせすぐに消えてなくなりますから、
これは大きく判断を狂わせてしまうことになりかねません。
これなら確認テストの対策としてやっておくのもいいというのをいくつかご紹介します。
まずは確認テストの過去問を解くことです。
特に英語と国語はなるべくなら過去問を解いておいた方がいいです。
理由は2つ、普段の勉強で長文読解問題の実力をつけておく
というのは適切な指導を受けていないとなかなか難しいからというのと、
そのテスト独特の長文読解問題の出し方というものに慣れておいた方が実力を発揮しやすいからです。
英語と国語の場合は過去問を知識の詰込みに利用することはできないので、
付焼刃が功を奏してしまってテストが意味をなさなくなるという副作用のリスクも少ないはずです。
他の科目でも、テスト1回なら得意な問題ばかり出てたまたまできてしまったということがあり得ますから、
テストの回数を増やして効果測定の精度を高めるという意味で同じ回の過去問を使うのはアリです。
但し、使い方には注意すべきです。
本番と同じように時間を計って緊張感を持って挑み、
結果に対する分析を必ずしてください。
また、不登校など何らかの事情で試験範囲の勉強を全くしていない場合。
この場合は、勉強していない状態では「勉強の進め方を検証する」という役割を果たせないことになるので、
確認テストの前までに確認テストの範囲を一通り勉強しておく意味もあるかと思います。
ただしこれには2つ条件があります。
1つ目は前の単元までに積み上げた知識や技能が必要とされている場合はその単元までの学習が追いついていること。
特に英語は直前の単元まで全部追いついていないと、
途中からテスト範囲の単元だけをやってもほぼ意味がありません。
数学も、ざっくり言って代数・幾何・統計の3系統がありますが、
同じ系統のものは直前の単元まで追いついている必要があります。
例えば、2年生の幾何の証明の単元をやるのに1次関数は必須ではありませんが、
同系統の平面図形までは終わっている必要があります。
必要なところが追いついていないのなら、
「確認テストの対策」なんてやってないで追いつく方に集中してください。
さもないとどんどん遅くなるだけです。
もし前提知識・技能がどこまで必要になるかわからない場合は学校か塾の先生に聞いてみてください。
2つ目の条件は普段通りのやり方で勉強すること。
確認テストのためだけの特別な勉強なんてしないでください。
繰り返しになりますが、普段通りでやらないと、
普段の勉強のやり方の検証ができません。
そして、どうしてもやらなければいけないことでもないので、
他に優先すべきことが残っているならそっちをやった方がいいです。
余裕があったらやってください。
また、確認テストの範囲が定期の範囲とぴったり重なっている部分。
この部分は敢えて確認テストの勉強をするなとも言いませんが、
確認テストの勉強・定期の勉強と切り分ける必要もありませんから、
普段通りの勉強をして確認テストに挑めばいいです。
その結果確認テストで点数が取れなかったとしても、
定期テストにしか役に立たない(入試に効かない)効率の悪い勉強のやり方をしているという事実が明らかになるだけです。
「悪い点を取るのが怖い」ですって?
普段通りの勉強で挑んで、派手にコケればいいんですよ。
そのためのテストみたいなところがあります。
失敗は、失敗ではありません。
成功を勝ち取るための失敗です。
失敗の後どうするかが大事なんです。
ここで、弊社インスタグラムでご紹介したバスケットボール界のレジェンド、
マイケル・ジョーダンさんの名言を引用して締めくくりたいと思います。
“I've missed more than 9000 shots in my career. I've lost almost 300 games. 26 times, I've been trusted to take the game winning shot and missed. I've failed over and over and over again in my life. And that is why I succeed.” -Michael Jordan
以上、確認テストの対策はしなくてもいい、
しなければならないことが他にあるということ、
対策の中でも絶対やってはダメなこととそれなりに意味のある事があること、
お分かりいただけたでしょうか。
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