学診テスト直前!今からでも間に合う対策を塾講師が伝授

塾長
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October 31, 2025

目次:

春江中・森田中・坂井中生におなじみ(?)、総合進学塾クエスタの大村です。

まもなく学診テスト直前!ということで、今回は直前でもできる学診テストの対策をまとめました。

はじめに:その緊張を、最強の武器に変えるために

11月、中学3年生にとって極めて重要な福井県学力診断テスト、
通称「学診」が目前に迫っています。
このテストは、福井県教育委員会が主体となり、
県内のほぼすべての中学3年生が受験する統一試験です。
その結果は、高校入試に向けた進路指導の根幹をなす重要な資料となり、
皆さんの志望校決定に大きな影響を与えます。
目前に迫る本番を前に、焦りや不安を感じている人も少なくないでしょう。

しかし、この直前期こそ、無計画な詰め込み学習ではなく、
的を絞った戦略的な対策で大きく点数を伸ばせる最後のチャンスです。
本ガイドの目的は、やみくもに全範囲を復習することではありません。
「最小限の努力で最大限の成果を出す」ための、
コストパフォーマンスに優れた分野と学習法に焦点を当て、
皆さんの不安を自信に変えるための具体的な戦略を提示することです。

残された時間を最強の武器に変え、ライバルに差つけましょう。

Part 1: 合格を掴むための「心・技・体」:学診直前期のユニバーサル戦略

教科別の具体的な対策に入る前に、すべての教科に共通する、
そして最も重要な「直前期の過ごし方」の原則を確立します。
学力だけでなく、精神面や学習法、体調管理まで含めた総合的なアプローチが、
本番でのパフォーマンスを最大化する鍵となります。

1.1 「新しい問題集」は開くな!基礎の徹底こそが合格への最短ルート

試験直前期に陥りがちな最大の罠は、焦りから新しい問題集や参考書に手を出してしまうことです。
しかし、これは自信を失うリスクを高めるだけの非効率な行動です。
高校入試レベルのテストで合否を分けるのは、ごく一部の生徒しか解けない難問ではなく、
多くの受験生が正解するはずの「基礎問題」です。本番の緊張状態では、
普段ならしないような簡単な計算ミスや漢字の書き間違いといった、いわゆる「ケアレスミス」が頻発します。

今、皆さんがすべきことは、これまで使い込んできた問題集やノートを完璧にすることです。
特に、過去に一度間違えた問題は、あなたの弱点が凝縮された最高の教材です。
なぜ間違えたのかを分析し、自力で確実に解けるようになるまで繰り返すこと。
これが、最も確実かつ効率的に得点力を底上げする方法です。
また、情報をインプットするだけの「まとめノート」の作成も、
この時期には時間がかかりすぎるため避けるべきです。
学習の重心を「新しい知識の入力(インプット)」から「既有知識の活用(アウトプット)」へと完全に切り替えましょう。

1.2 「課題発見ノート」で弱点克服

ただ過去問を解くだけでは、
同じミスを繰り返す可能性があります。
重要なのは、ミスの中から「課題」を発見し、
課題を克服するための「行動計画」を立てることです。

当塾では、過去問を解く際に「課題発見ノート」を作成し、課題克服の計画を立てるように指導しています。

過去問や模試を解き終えたら、すぐに採点し、
間違えた問題一つひとつに対して以下の3ステップで分析を行いましょう。

  1. ミスの分類: その間違いはどのような間違いであるかを分類します(例:「知識不足」「読み間違い」「時間切れ」など)。
  2. 教訓の言語化: 「一次関数の動点問題を10題やる」「次に一次関数の動点問題を見たら、まず点Pが動く辺ごとに場合分けして変域を定義する」
    というように、具体的な行動指針として言語化します。

このプロセスを経ることで、単なる「間違い」が「得点源」へと昇華します。

1.3 本番を制する時間配分術と集中力の維持

福井県の学診は、その独特な試験形式から、時間配分戦略が極めて重要になります。
どの教科も時間的にタイトで、不得意科目では時間が足りなくなることは必至です。

この時間的制約を乗り越えるには、本番同様の状況でのシミュレーションが不可欠です。
過去問を解く際は必ず時間を計り、「数学の大問1は10分以内で解き切る」
「英語はリスニング開始前に長文読解を1題終わらせる」といった、
自分なりの時間配分計画を立てて練習しましょう。

どの問題にどれだけ時間をかけるか、
難しい問題に遭遇した際に「一旦飛ばす」勇気を持つことも、
全体の得点を最大化するための重要な戦略です。

1.4 試験当日に100%の力を出すためのコンディショニング

試験本番で最高のパフォーマンスを発揮するためには、学力だけでなく、
心身のコンディションをピークに合わせることが不可欠です。
睡眠時間を削っての徹夜漬けは、記憶力や集中力を著しく低下させ、逆効果にしかなりません。

試験1週間前からは、以下のコンディショニングを徹底してください。

  • 睡眠リズムの調整: 試験当日の起床時間に合わせ、毎日同じ時間に起きる習慣をつけます。
    試験は午前中に行われるため、脳が最も活発に働く時間帯を朝にシフトさせることが重要です。
  • 食事管理: 消化に負担のかかる脂っこい食事は避け、バランスの取れた食事を心がけましょう。
    特に脳の活動に影響する栄養素が不足しないように気を配りましょう。
  • 前日準備の徹底: 受験票、筆記用具、時計など、必要な持ち物は前日の夜にすべて準備しておき、
    当日の朝に慌てることがないようにします。
  • 平常心を保つ: 試験当日は、普段通りのルーティンを崩さないことが大切です。
    「縁起担ぎ」で普段食べないものを食べたり、特別なことをしたりすると、
    かえって緊張を高めてしまう可能性があります。

Part 2: 教科別 得点直結分野集中攻略

ここからは、各教科の中で特に直前期の学習効果が高い分野に絞り、具体的な攻略法を解説します。

2.1 数学:「取れる問題」を確実に仕留める戦略

まず、大問1の小問集合は、比較的難易度が低く設定されているため、
ここで満点を狙うことが高得点への第一歩です。
計算問題や各単元の基本問題を確実に解ききる練習を重ねましょう。

大問2以降では、以下の分野が頻出であり、対策が点数に直結しやすいでしょう。

  • データの活用: 度数分布表、ヒストグラムの読み取り、
    そして平均値・中央値・最頻値や相対度数の計算は、基本的な知識で対応可能な得点源です。
    用語の意味を正確に再確認し、計算ミスがないように丁寧に解く練習をしましょう。
  • 一次関数: 点Pが図形上を動く問題や、量の変化をグラフで表す問題が定番です。
    これらの問題の鍵は、「変化の区切り」を見つけることです。
    動点問題であれば、点が辺を移るごとに式が変わります。グラフの問題であれば、
    グラフの傾きが変わる点が変化の区切りです。それぞれの区間ごとに変域を定め、
    別々の一次関数の式を立てることで、複雑に見える問題も分解して考えることができます。
  • 合同/相似の証明: 証明問題は毎年必ず出題される最重要分野の一つです。
    学診の証明問題では、複雑な補助線を引いたり、隠れた性質を見つけ出したりするよりも、
    問題文や図で与えられた辺や角の関係(仮定)を、
    合同・相似条件に素直にそのまま当てはめていく問題が多く出題されています。
  1. まず、問題文で与えられた情報を図にすべて書き込み、視覚的に情報を整理します。
  2. 次に、証明すべき結論(例:「△ABC ≡ △DEF」)を確認し、
    そのために必要な合同条件・相似条件を思い出します。
  3. 仮定として与えられている情報と、
    図形の基本的な性質(対頂角、平行線の錯角・同位角など)を組み合わせて、
    条件に当てはまる根拠を揃えます。
    この思考プロセスに慣れ、採点者に伝わるように論理の飛躍なく記述する「書き慣れ」が重要です。

2.2 国語:「知識」で稼ぐ!古典・漢文・書写

国語は読解力や記述力が問われる一方で、少しの知識で簡単に得点できる問題も多く含まれます。
特に古典・漢文・書写は、比較的少ない学習量で点数に結びつきやすい分野です。

  • 古文: まずは最頻出の古文単語の意味を完璧に覚えましょう。
    最低で30語、100語覚えていれば完璧です。
    次に、助動詞の意味を確実に押さえます。
    特に、受身・尊敬・可能・自発を表す「る・らる」や、過去を表す「き・けり」は頻出です。
    これだけで、文の大意を掴む大きな助けになります。
  • 漢文: 学診の漢文は、書き下し文が示されている場合が多く、高度な知識は不要です。
    重要なのは返り点のルールを正確に理解すること。
    「レ点」(すぐ下の漢字から返る)と「一・二点」(一点から二点へ返る)
    の2つの基本ルールに従って白文に返り点を打つ練習を徹底しましょう。
    これだけで確実に得点できます。
  • 書写: 書写は、知ってさえいれば「見ればわかる」というレベルのサービス問題です。
    問われるのは主に点画・筆脈・筆順など「楷書」と「行書」の違いです。

2.3 英語:英作文と対話文を攻略する

英語の長文読解は一朝一夕には伸びにくいですが、
英作文は「型」を覚えることで短期間での得点力アップが可能です。

また、対話文も資料の読み取りができて簡単な比較表現がわかる問題で、
本文も全部読まなくても解けてしまうような問題が多いため、取り組みやすい分野です。

2.3.1 英作文

英作文で求められるのは、創造性よりも「文法的に正しい、
簡単な文を」「条件に合わせて」書く能力です。
指定された語数を満たすだけでも部分点が見込めるため、
以下の「型」と「語数アップの技術」を使いこなしましょう。

  • 意見表明の基本テンプレート:
    I think that (意見).
    First, (理由1).
    For example, / Second, (具体例または理由2).
    For these reasons, 【結論】.
    この型に、自分の考えを当てはめるだけで、論理的な文章が完成します 。
  • 接続詞・接続副詞の適切な使用や文法のバリエーションを評価する「構成点」という評価項目があります。
    評価される文法のバリエーションは明らかにされていませんが、
    to不定詞構文、現在完了形、関係代名詞、分詞による後置修飾など中学校2年生以降にならう文法・構文が考えられます。
    英語が得意な生徒さんは単純に文章を書くだけでなく、これらの構文・文法や接続詞・接続副詞を有効に使って高得点を狙いましょう。
  • 語数を増やすテクニック:
    事前に採点基準を知ることはできませんが、去年までの採点方法と同じならば
    語数が10語単位でカウントされ、
    採点対象になる文でカウントされた語数に応じて得点がついたり、
    内容・文法・構成点の満点が上がったりします。
    例えば31語の作文と40語の作文は同じ点数です。
    30語しか書けなくても1語足すだけで得点が最大で4点も上がります。
    あと少しで11語、21語、31語、41語、という場合は以下を参考に、文を長くする工夫をしてみましょう。
 語数アップテクニック

意見を言う
I think... → In my opinion, I think that...

理由を述べる
Because... → The first reason is that...

目的を表す
I study hard to pass the exam. → I study hard in order to pass the exam.

副詞・前置詞句を加える
I play soccer. →I often play soccer with my friends in the park  after school.

2.3.2 対話文(グラフ・表の読み取り)

この形式の問題は、情報処理のスピードと正確性が鍵です。対話文から読み始めるのではなく、以下の3ステップで解くのが最も効率的です。
入試には全体を読まないと回答できない問題が必ずありますが、学診はそのような問題が少ない傾向があります。

  1. まず資料を分析する: 対話文を読む前に、グラフや表のタイトル、縦軸・横軸が何を表しているかを確認します。これにより、どのような話題が話されるかを予測できます。
  2. 目的を持って読み、解答を絞る: 問題を先読みして「何を聞かれるか」を軽く把握しておき、
    資料の内容を頭に入れた上で本文の中から数値、比較表現(more than, the mostなど)、キーワードを探し、解答を絞ります。
  3. 不正解の選択肢を否定する: 各選択肢について、対話文や資料の中にそれを裏付ける、あるいは否定する根拠が必ず存在します。
    殆どの場合1つは紛らわしい選択肢が混ざっていますので、
    時間に余裕があるときはこれだと思う選択肢があるときでも、
    ほかの選択肢を明確に否定できるか確認してみましょう。

2.4 理科:「暗記」が勝負の地学・生物分野を一点突破

理科の中でも、地学分野と生物分野は暗記の比重が高い分野です。
つまり、直前期に集中して時間を投下すれば、その分だけ点数に反映されやすいということです。

  • 地学分野(火山・地質・地震・化石)。
  • 生物分野(特に植物)

2.5 社会:頻出テーマを得点源に

社会科は全範囲からまんべんなく出題される傾向があるため、一点突破は難しいのですが、
地理分野では毎年必ずと言っていいほど出題されているテーマがありますのでそれをご紹介します。

まんべんなく勉強できているならもうやることは過去問を解く以外にないのですが、
そのテーマ怪しいなという場合にはやっておいて損はありません。

2.5.1 地理頻出テーマ

かならず出題されているもの:

  • 地図の図法と読み取り方(世界地理)
  • 雨温図に絡めた気候に関する問題(世界地理・日本地理)

出題される頻度が高いもの:

  • 時差
  • アフリカ・南北アメリカの言語(歴史的背景に絡めた問題)
  • 宗教

2.5.2 歴史頻出テーマ

また、歴史分野でも比較的出題される傾向が高いテーマがあります。

仏教史です。本県が仏教王国であることも関係しているかもしれません。

おわりに:自信を持って試験に挑もう

学診テスト直前期の学習は、マラソンのラストスパートに似ています。
がむしゃらに走るのではなく、残されたエネルギーを最も効果的に使い、
ゴールテープを最高の形で切るための戦略が求められます。
これまで解説してきたのは、そのための戦略です。

得点に直結しやすい分野に絞り、効率的な方法で知識を確実なものにすることが、自信を育みます。

皆さんのこれまでの努力は、決して無駄にはなりません。
その努力を本番で100%発揮するために、最後の仕上げを行いましょう。

最終チェックリスト(試験前夜と当日の朝)

前日の夜:

  • カバンに必要なものをすべて入れる(受験票、筆記用具、時計、ハンカチなど)。
  • 着ていく服を準備する。
  • 複数のアラームをセットする。

当日の朝:

  • しっかりと朝食をとる。
  • 時間に余裕を持って家を出る。
  • 友人と問題の予想などを話し合わない。
  • 試験中、もし問題に詰まったら、深呼吸をしてその問題に印をつけ、次に進む勇気を持つ。

自分自身の準備を信じて、自信を持って試験に挑んでください。健闘を祈ります。

いますぐお試しください!

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