苦闘なくして進歩なし~学診テストをどう活かすか~

塾長
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November 7, 2025

目次:

"If there is no struggle, there is no progress."
「苦闘なくして進歩なし」

皆さんこんにちは。 春江駅から徒歩20分、
春江中生におなじみ総合進学塾クエスタ塾長の大村です。
中3生の皆様、学診テストお疲れ様でした。

いきなりですが、冒頭の言葉は「フレデリック・ダグラス」
というアメリカの公民権運動家が残した金言です。
(中1までの文法で理解できる言葉なので「難しくて理解できない」はやめてくださいね)

彼はアメリカで奴隷として生まれ、
読み書きを禁じられるという「苦闘」の中で、
独学で学び、やがて大統領顧問にまでなった人物です 。
彼は「苦闘」そのものが「進歩」を生み出す力だと知っていました。
彼は、進歩を望むのに「苦闘」を嫌う人々を、
「地面を耕さずに作物を望む」人々だと評しています 。  

皆さんは学診テストを終え、どんな"進歩"を遂げるでしょうか。

皆さん何かしらうまくいかなかった部分はあると思いますが、
勝負はこれから。
「学診テストをどう活かすか」にかかっています。
今回はその「学診テストをどう活かすか」についてお話したいと思います。

1. 試験を終えてすぐやるべきこと

テスト、お疲れ様でした。今は疲労感と解放感でいっぱいでしょう。
「終わったー!」とゲームやスマホに直行したい気持ちもわかります。

ですが、「進歩」への第一歩は、この瞬間に始まっています。

本当の「苦闘」  とは、テストを受けることそのものではなく、
テストで突きつけられた自分の弱さや間違いと向き合うことです。  

最もやってはいけないのは、「終わったから忘れる」こと。
記憶が最も生々しく、
悔しさや「あれ、どうだっけ?」という感覚が残っている今こそが、
最大のチャンス
です。結果が返ってくる前にできることが、実は山ほどあります。

1.1. 類題を使った復習

これを私は「ホット・レビュー(熱いうちに復習)」と呼んでいます。

なぜ「熱いうち」が良いのか?それは、
あなたが「なぜその問題で迷ったのか」「どの選択肢と迷ったのか」「時間配分をミスしたな」という、
点数には現れない「思考のプロセス」の記憶が残っているからです。

答案が返却されてからでは、この「プロセス」は忘れてしまいます。

今すぐ、塾のテキストや学校のワークを開いてください。
そして、試験で出た問題とそっくりな「類題」を探し出して解き、
どのような方法で解くべきであったかを確認しましょう。
これだけでも、あなたの「進歩」はすでに始まっています。

1.2. 課題の発見と対策

「課題」を発見したら、それで満足してはいけません。
本当の「苦闘」と「進歩」はここから始まります。
最も重要なプロセスは、「課題を発見し、それを克服する」ことです。
「何を間違えたか」を確認するだけでは不十分です。
「なぜ間違えたか」を深く掘り下げ、
「どうすれば解決できるか」を具体的な行動計画に落とし込み、
そして「実行する」こと。

この「課題の発見と克服」という地道なサイクルを回し続けることこそが、本物の「進歩」を生み出します。

ちなみに、当塾ではこの「課題の発見と克服」のプロセスを生徒自身が自発的に実行できるよう、
「課題発見ノート」というものを作って渡しています。
これは、発見した「課題」を「解決方法」に具体的に落とし込み、その「実行」を可視化するためのものです。

まずは皆さんも、以下の項目を参考に「課題」を正確に把握し、「どう克服するか」を考えることから始めてみてください。

答案が返ってくるのを待つ必要はありません。
今夜、あなたが覚えている「課題」を書き出し、そのうちの1
つでいいから「解決方法」を考えてみてください。

参考:「課題発見ノート」項目と記入例

1. 課題を見つけた問題を特定

  • 良い例:「11/15 学診、数学、大問4(2)、二次関数と面積の問題」

2. 発見した課題

「何を間違えたか」ではなく、「なぜ間違えたか」という根本的な「課題」を書きます

  • 良い例:「『~でないものを選べ』を『~であるもの』と読み違えた。時間焦りもあり、問題文の条件確認を怠る癖がある。」
  • 良い例:「台形の面積公式は2種類知っていたが、どちらの場面で使うべきか理解できていなかった。」
  • 良い例:「配点3点の大問2(1)に10分もかけてしまった。時間配分の戦略がなかった。」

3. 克服の方法や計画

  • 課題:「条件確認を怠る癖がある」
    • 解決方法:「過去問3年分の大問1を解き直し、『指示語』『条件』すべてに下線を引く練習をする。/ 期限:11/16」
  • 課題:「公式の使い分けが不明確」
    • 解決方法:「塾長(大村)に、それぞれの公式を使う典型問題を3問ずつ出してもらう。人に説明できるレベルまで理解する。/ 期限:11/17」
  • 課題:「時間配分の戦略がなかった」
    • 解決方法:「リスニングまでに長文と対話文を終わらせ、余った時間で作文を書き始める戦略で、県立高校入試の過去問1年分をつかって練習 /期限 : 11/10」

4. 実施状況のチェック欄

1.3. 計画の実行

計画は「進歩」ではありません。
「進歩」とは、「解決方法」の欄に書かれたことを「実行」することです。
必ず自分が決めたとおりにやり切ることが重要です。
「時間が足りない」「量が多い」などと言いわけをしてはいけません。
もう追い込みの時期ですから、自分に厳しくいきましょう。

このプロセスを繰り返せば、あなたは必ず成長します。

これが、フレデリック・ダグラスの言う「地面を耕す」  ということです。

2. 試験が返ってきたときにすぐやるべきこと

返却された答案には、点数が記載されています。
誇らしい気持ち、あるいは絶望的な気持ちかもしれません。

しかし、数字を見て喜んだり悲しんだりしても何のプラスにもなりません。

それではどのように返ってきたテストの成績を受け止めれば良いでしょうか。

2.1. 「課題発見」の見直し

まず1番に必要なのは1.でやった「課題発見」と照らし合わせることです。

それによって「わかったつもり」でわかっていなかった点や、
自分の注意が向いていない部分が明らかになります。

無自覚な欠点は永遠に直りません。

ここで得られる情報はあなたの成長のためには欠かせない重要な情報です。

ここで新たな発見があるなら、課題発見ノートを更新して計画も修正しましょう。

2.2. 「ボーダーライン」の受け止め方

真っ先に気になるのが「ボーダーライン」のことかと思います。
そのことを考える前に、知っていおいてほしいことがあります。

まず第一に、俗に「ボーダーライン」と言われているものは、
各学校がバラバラに出すその年の学診テストの「平均点」を
主に嶺北地方の塾が独自に集計したものを基準として発表する推計値で、
公式なものではありません。
また、塾や団体によって微妙に数字は変わりことがあります。

よって大体の受験者のレベル感は掴めますが、あまり当てになる数値ではありません。

「ボーダライン」は、「合格確率◯◯%」など結果を予測するものではなく、
「今よりもう少し努力すれば良さそう」「計画を抜本的に見直す必要がある」など勉強計画の修正に使うのが正しい使い方です。

また、テスト直後はもちろんテストが返ってきたばかりのタイミングでは「ボーダーライン」は出ていません。
集計が終わっていないのですから当たり前です。
「ボーダーライン」はその年の学診の点数を基準にするため、
前年度のボーダーラインを引っ張ってきてもあまり意味がありません。
(にも関わらず、毎年11月になると「今年のボーダーラインは何点ですか」という質問がわんさか来て、その子達の学力が心配になります。)

今自分が見ている数値がいつのものなのか、よく注意して見る必要があるでしょう。

参考:学診テストは何であって何でないか

そもそもですが、学診テストが何のためのテストなのか理解されているでしょうか。

学診テストは学校で進路指導行うためのテストです。

学診テストの結果を見て、学校の先生がその学校は考え直したほうがいいとか、
諦めずに頑張るなら併願校のレベルを下げたほうがいいとか、
この調子なら油断せずに行けば大丈夫などといった指導が行われるわけです。

先生の手元には学診テストのすべてがあります。
そのため学診テストに関して一番よく情報を把握しているのは学校の先生であって、塾の講師ではありません。
学診テストの成績に関して知りたいことがあれば学校の先生に聞くのが一番で、
その意味でも塾の発表する「ボーダーライン」にこだわるのはナンセンスだと思います。

3. 試験が返ってきたあとにやるべきこと(執筆中)

3.1. 計画の実行

3.2. 県立高校入試の過去問

3.3. 12月の福井新聞模試への備え

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