こんにちは。
クエスタ塾長の大村です。
令和7(2025)年福井県立高校入試一般入試の学力検査が終わりました。
受験生の皆様、ご家族様お疲れ様でした。
あとは結果を待つばかりです。
さて、どこよりも早く、総合進学塾クエスタは
令和7(2025)年福井県立高校入試一般入試英語(B問題)の試験を分析しました。
今回はそれを公開します。
来年以降の受験の参考にされてください。
↓↓↓
大問は去年と変わらず対話文・長文・英作文・リスニングの4問構成、
小問数は大問1で1つ増えました。
出題形式は変化なしです。
総語数はリスニングを除いて1900弱、去年と比べて総語数はやや減っており、
語彙の面でも一部はやや易化していて読みやすくなっています。
よって、「本文と選択肢をただ読むだけ」ならば去年よりも易しいということになります。
なお、完答するために最低でも75wpm,
余裕を持って回答するためには95wpm以上のリーディングスピードが必要です。
(僕が見ていた藤島の真ん中あたり(入学時)の生徒がちょうど95wpmくらいでした)。
本文はやや読みやすくなった一方で、問題は明らかに難化しています。
本文そのままの表現を解答にできる問題はたったの1問(当社調べ)、
本文に直接答えが書かれておらず推論を必要とする問題や、
巧妙にパラフレーズされた選択肢が散りばめられ、
話法転換が必要になる語数倍増の書き問題も出て、
今年の受験生は大変だったろうと思います。
以上のように、語数はやや少なくなり、語彙はやや易化しましたが、
小問が1問増加し、推論やパラフレージングの能力を問われる問題が多く、
解答根拠がそのまんまな問題がほぼ無かったため、
全体としてはやや難化しているという印象です。
実際の受験生の声としても今年の英語は難しかったという声は多いようです。
一方で、文章はやや読みやすくなっているので、
英語ガチ勢にとっては去年よりも時間的な余裕のある試験となったことでしょう。
以上のような理由で、去年に比べて分布図の中央の山はやや低くなり、
横に広がったような分布になっているのではないかと予想します
(試験としては公平に選抜できる良い試験となったと言えます)。
平均点としては、去年よりもやや下振れすると予想します。
大問1は文章のボリュームや語彙の面で読みやすくなっていますが、
その代わり去年と比べて小問が1題増加しました。
また、出題形式はほぼ変わらない一方で、
問題は全体として、同義文判定・パラフレージングや
推論が要求される問題が大半を占め、難化していると感じます。
この小問は全体で見ると難易度が低めの問題となっています。
特に2は本文にそのまま載っている内容として探すことができる今回唯一の問題です。
1は"same feeling"の示す箇所を探し、更にそれと矛盾しない表現を
選択肢から選ぶというそこそこの問題です。
1は"You left your cap. Here you are."との店員の発言から、
帽子を渡しに来たのだろうという簡単ではありますが推論を働かせる問題。
会話表現に加え、"left" "ran"などの不規則動詞の過去形をちゃんと認識できることが前提になる問題です。
2はもはやお約束とも言える問題で、
本文中の比較表現からグラフを選択するタイプの問題です。
しかし今回の問題はヒントになる箇所がA,Cそれぞれに対して1箇所ずつしかなく、
Bは推論でないと選べないという難易度高めの内容になっています。
3は典型的なパラフレージング問題ですが、
show+IO+DOの形を理解できることは前提、
kindnessという単語を知っているか、
または形容詞に"-ness"をつけると名詞になるという知識があれば更に回答しやすくなる問題です。
"They showed other people great kindness in many places"
の同義表現を含むものを選びます。
1は"We don't clean our school. It's a job of the cleaning staff" "Oh, you don't clean?"
から読み取れる内容を選ぶ問題で、能動文↔受動文の関係とknow + that節の構文を理解している必要があります。
これも一種のパラフレージング問題です。
2は空所補充問題。
seem, ordinary, respectなど難しい単語がキーになっていますが、
実はどれも3年生の教科書で1度だけ出てきている単語です。
特に"seem"などは本文ではないところでチョロッと出ただけです
(福井の問題は英語に限らず、こういう問題は多いです)。
Let's talkのところなので、
先生によっては流してしまっているかもしれません。
しかもseemはS + V+ C(形容詞・名詞)の形で用いられることまで
(せめて例文1つくらいまで)理解していると楽に回答できるという問題です
(品詞だけで2択まで絞れるため)。
そのため、日頃の授業や定期試験では
範囲内の単語を意味だけでなく使われ方も含めて覚えておくこと、
入試対策として教科書の後ろの索引に載っている単語を知っているかどうかチェックする
のは必須となります。
大問2の英作文は2019年から続いている傾向を踏襲し、
会話文の中のセリフの形で、
2箇所、それぞれ30語程度で作文するというものです。
今年はその会話文の語数が大幅に増えました。
精読する必要は無いのでデキる子にとっては大差ないですが、
読むスピードに自信がない生徒にとってはそれなりの負担になります。
また、去年までのような真反対の意見の両論併記的な内容ではなく、
2の部分は1(ボランティア活動をすることのいい点)に
関連する内容(より多くの学生がボランティア活動に加わるのを助けるアイディア)を書かせるものでした。
「説明」ではなく「提案」を書かせるというのは今までに無いパターンです。
語数増加と内容の変化でこの大問も難化したと言えるかもしれません。