以下の図のうち、下記の説明から読み取れる「アメリカ合衆国の人口の内わけ」を表すグラフとして正しいものを選び、記号を答えなさい。
説明:
アメリカ合衆国の人口のうち38%をヨーロッパ系以外が占めているが、それらの人種のうち32%をアフリカ系が占めている。
図:
④
「アメリカ合衆国の人口のうち38%をヨーロッパ系以外が占めている」とあるので、
62%をヨーロッパ系が占めていることがわかります。
この時点で①か④に絞られます。
次に「それらの人種のうち32%をアフリカ系が占めている」とありますが、
「それらの人種のうち」の「それら」が「ヨーロッパ系以外」のことを指していますので、
「(38%を占める)ヨーロッパ系以外の人種のうち、32%がアフリカ系」ということになります。
よって、38%の32%なので 0.38 × 0.32 × 100 ≒ 12 (%)
よりアフリカ系は全体の12%ということがわかりますので、④が正解です。
①を選択した人は
「(38%を占める)ヨーロッパ系以外の人種のうち、32%がアフリカ系」
と読むべきところを
「アメリカ合衆国の人口のうち、32%がアフリカ系」
と読む誤った読み方をしています。
この読み方をする余地はありません。
次の見出しの下に詳しい説明も書いたので、納得いかない方は読んでみてください。
算数の割合の問題ではないかと言われそうですが、32%は約3分の1なので、
38を3で割るだけでもおおよその検討をつけることができますし、
その計算をしなくても「アメリカ合衆国の人口全体のうち32%」ではないことは確かなので、
最悪小2までに習う2ケタのまでの足し算までしかわからなくても日本語が正しく読めれば④にたどり着くことはできます。
納得いかない方の為に①の解釈は成り立つ余地が無いことを説明します。
照応解決の問題でも触れたように、
指示代名詞の参照先は、参照元に代入したときに齟齬が生じないものでなければいけません。
試しに「それらの人種のうち32%をアフリカ系が占めている」
の「それら」に「ヨーロッパ系以外」を代入してみると、
「ヨーロッパ系以外の人種のうち32%をアフリカ系が占めている」となりますが、何もおかしいところはありません。
一方で、「アメリカ合衆国の人口」も先に出てきている名詞という意味では可能性がありますが、
代入してみると、「アメリカ合衆国の人口の人種のうち32%をアフリカ系が占めている」となり、
ヘンテコな文が出来上がります。
「それら」とわざわざ複数の形で受けているのに、単数のものを指すというのもつじつまが合いません。
日本語では「それ」で複数を指す場合もありますが、「それら」で単数のものを指すことはありません。
これらを持ち出すまでもなく、文脈上④の解釈をするのが正しいのですが、
どう理屈をこねくり回しても①の解釈は成り立ち得ないのです。
(実は、そのような疑義が生じないように参考にしたRSTの問題とは少し違う書き方をしています)
「指示代名詞の参照先を参照元に代入したときに矛盾が起きたり語法的な誤りが起きてはならない」
というのは照応解決の重要なルールで、
指示代名詞の指している内容を答えさせる問題では回答が正しいかの確認に使うことができます。
この機会に覚えておいて、試験のときには必ず「代入」して確認する癖をつけるだけでも国語の点数は上がるはずです。
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