こんにちは。
オンライン授業のクエスタ・オンライン、
福井県坂井市春江町の学習塾、総合進学塾クエスタ塾長の大村です。
今回は「早く正確に読む力」つまり読解力をはかるために、
間違える方が多いことで有名な問題を取り上げます。
早速、問題を見てみましょう。
Alexは男性にも女性にも使われる名前で、女性の名Alexandraの愛称であるが、男性の名Alexanderの愛称でもある。
この文脈で、以下の文中の空欄にあてはまる最も適当なものを選択肢のうちから1つ選びなさい。
Alexandraの愛称は( )である。
(1)Alex (2)Alexander (3)男性 (4)女性
※「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」 新井紀子著 東洋経済新報社
(1)Alex
この問題は「Alexは」と「女性の名Alexandraの愛称である」の係り受け関係を正しく認識できるかを試す問題です。
文のつくりはこのようになっています。
[Alex(は)]→
→①[男性にも女性にも使われる名前(で)]、
→②[女性の名Alexandraの愛称である(が)]、
→③[男性の名Alexanderの愛称でもある]。
「Alex」が①[男性にも女性にも使われる名前で](ある)の主語であることは明らかですが、②・③にもかかっています。
このことは②・③「愛称である」の主語が書かれていないことや「で」や「が」でつながれていることからもわかります。
①と主語が同じなので②③に改めて主語を書く必要が無いわけです。
主語[Alexは]と[②女性の名Alexandraの愛称であるが]を直接つなぐと、「Alexは女性の名Alexandraの愛称である」となるので、正解は「Alex」となります。
読み方としては、最初の主語「Alex」を認識した後で、(で)や(が)でつながれたときに、その意識を次の節に"持ち越す"ようなイメージです。
「"愛称(あいしょう)"という言葉の意味が分からなかったから解けなかった」という声が聞こえてきそうですが、そうではありません。
知らない単語があると読み飛ばす傾向があるのは確かですが、この問題は「愛称」という単語の意味を知らなくても解くことができます。
試しに"愛称"を●に置き換えてみましょう。当然●に意味なんてありません。これで解けたらこの問いに意味を知ってるかどうかなんて関係ないということの証明になります。
Alexは男性にも女性にも使われる名前で、女性の名Alexandraの●であるが、男性の名Alexanderの●でもある。
Alexandraの●は( )である。
[Alex(は)]→
→①[男性にも女性にも使われる名前(で)]、
→②[女性の名Alexandraの●である(が)]、
→③[男性の名Alexanderの●でもある]。
Alexと②をつなげると
Alexは女性の名Alexandraの●である
よって空欄に当てはまる言葉はAlex!
ね?
言葉の意味を知らなくても係り受けだけ正しく認識できれば解ける問題なのです。
2つ以上の主語―述語の関係が文の中に含まれている構造を「重文」と言います。
この「重文」の中でも、このように同じ主語に対して「で」「て」などの助詞でいくつもの述語をぶら下げるようなパターンでは、
2回目以降の主語は省略されます。
ここに読みにくさが生じ、主語ー述語の関係を認識できないと正しく読めないというわけです。
英語にもこのような構造はありますが、日本語では特に、
このような方法で1つの主語に対して数珠のようにたくさんの述語をつなげるということがしょっちゅう起こります。
そのため重文で主語ー述語関係を正しく認識することは文章を正しく読むための重要なスキルとなっています。
実際の学校の定期試験や入試問題でも、
このように知識が無くても解ける問題というのは実は結構あります。
もちろん入試問題ともなればここまで簡単なものも珍しいと思いますが、
わざと受験生の誰もわからないような難しい言葉を使って、
「読めばわかる問題」を出してきたりします。
入試をやる側からすると、講義を聞けば正しく理解できるような、
「勉強すればいくらでも伸びる」生徒に入ってきて欲しい
(日本語が理解できないような「伸びしろの小さい」生徒はできればご免こうむりたい)
と思っているからです。
難しい学校になると、受験生皆が勉強しているような知識問題だけでは点差が開きにくく、
そのような問題ばかりではうまく選抜できないという事情もあります。
裏を返せば、どんなに難しい言葉を使った文章にも対応できる読解力を身に着けていれば難関校で勝負できるということです。
文章を読むというのは、何か知識を教えただけですぐにできるようなものではないので、
こうすればすぐに「係り受け」ができるようになるという方法はありません。
地道に鍛えていくしかないのです。
ですが、時間はかかっても簡単にできるトレーニング方法があります。
お子様が何かを話すときに、文要素や修飾語が抜けていることは多々あるかと思いますが、
そのときにツッコミを入れる方法です。
主語が抜けているときは「何が?」「誰が?」、
必要な修飾語が抜けているときは「何に?」「何の?」「どんなふうに?」など
いちいちツッコミを入れるのです。
これにより、「文要素や必要な修飾語が明確にわからないと気持ち悪い」という感覚を持たせます。
そのような感覚が身についてくると、文章を読むときや人の話を聞く時も、
文要素や修飾語の存在を常に意識して読んだり、聞いたりするようになります。
時間的には何年もかかると思いますが、かなり効果的な方法です。
「短期間で鍛えたい!」「集中的に鍛えたい!」「そんなことしていたら親子関係が・・・」という方は、
以下もご覧ください。
基礎読解力というものは頭で理解するだけで身につくものではありません。
文章を論理的に読む訓練が必要です。
よくある勘違いですが、市販の国語の問題集で長文読解をやみくもにやっても、
基礎読解力は身につきません。
基礎読解力が無い方は短文を正確に読めないのですから、
長い文章にやみくもに当たっても効果が出ないのは当然です。
この新国語講座では基礎読解力を6つのカテゴリに分けて、
それぞれのカテゴリにフォーカスした問題を使って訓練することができます。
この新国語講座は論理的に正確に読むという点にフォーカスが当たっています。
じっくり時間をかけても正確に読めないという生徒さんにお勧めの教材です。
学習塾専用教材となっており、総合進学塾クエスタのほか、
全国のお近くの学習塾で受講可能です。
近くの塾がリストに無い、塾ではなくオンラインで受講したいという方は、
クエスタ・オンラインで5500円~で受講できます。
速読解力講座やすららとセットでお得に受講できるメニューもあります。
試験で成績を残すためには、「正確に読める」だけでは足りません。
試験には制限時間があり、その時間内で「速く正確に」読める必要があります。
学校の授業でも先生の板書や説明のスピードに追い付く必要があります。
せっかく文章を正しく理解する力があっても、
スピードが追いつかないのなら「読めない」のと大差ありません。
高校入試も大学入試も近年語数が著しく増加しており、
「速く読む」ことも含めて必須のスキルになりつつあります。
「速読解力講座」は認知能力や情報処理スピードにフォーカスが当たっており、
「速く読む能力」を身に着けるためのたくさんの種類のトレーニングを行うことができます。
情報処理が遅い生徒さんや、いつも試験で時間が足りなくなってしまう生徒さんにお勧めです。
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すららは読解力特化の教材ではありませんが、
実はこのすららの「国語」が基礎読解力の養成に大変効果的な内容と構成になっています。
いきなり長文から始まるような国語教材には基礎読解力を上げるには向いていないというお話をしましたが、
このすららは1文を正確に読むためのスキルを身に着けるところから始まり、
2~3文程度の長さの文、中くらいの文、よくある国語問題集の長文くらいの文、
入試レベルの長文という形で順を追ってステップアップしていく構成になっています。
そして1文の読解や2~3文・中くらいの長さの文の読解のフェーズでは、
この問題でも取り上げた係り受け、照応解決、推論、具体例同定など
基礎読解力6分野のうち5分野を丁寧にカバーしていて、
まさに基礎読解力養成に適した内容になっています。
すらら国語でカバーされていないのは基礎読解力6要素のうち「イメージ同定」のみですが、
こちらは算数(数学)・理科・社会でカバーすることができます。
しかもこのすらら、受講者はもれなく無料のコーチングサービスを受けることができます。
生徒さんの実力や学習段階に合わせた目標を、
学習塾経営者がたててくれ、進捗管理までしてくれます。
確かな読解力が身につくまで二人三脚で伴走してくれるというわけです。
私も現役のすららコーチとして活動していますが、
その際、理解力に課題がある生徒にはまずこの国語を勧めています。
この教材を順を追ってやっていけば読解力が上がり、
勉強全体が進めやすくなるという確信があるからです。
すららの国語は
・トレーニングだけでなく、説明もじっくり聞きたいという生徒さん
・基礎読解力を長文につなげたい生徒さん
・進捗管理や学習計画までみてほしい生徒さん
など幅広い層にお勧めできます。
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値段はすららネットで直接受講するのと変わりませんが、クエスタオンラインでは質問ができたり、
他の講座の割引が受けられたりといった他にはない特典があります。